||| ヒラメの成長 |||

◇ヒラメは夏に成長します◇
 稚魚は河口や湖尻などで成育する。 孵化後3か月で6cmあまり、その後は1月に4cmずつ成長し、秋には20cmぐらいになる。 天然ものの成長状態は環境によって大きく支配されるが、平均して1歳で全長30cm、250g、2歳で40cm、700g、3歳で50cm、1.4kg、4歳で60cm、2.5kg、5歳で65cm、3.3kg、6歳で70cm、4.5kgぐらいになる(図 71・10)。 本種では成熟によって成長が低下することがなく、成長の適温は15〜25℃である。 成長は夏から晩秋にかけてよく、その他の季節は緩やかである。 雌雄による成長の差はあまりないが、高齢魚では雄がややよい。
 最近の資料では、雌の方が雄に比べて早く大きく成長するとされている。 ●関連ページ⇒「ヒラメの成長補足」)  ちなみに下記のグラフでは、温暖な海域で育つヒラメの方が、成長が早いことが証明されている。 同じ関東でも「系群」の違いもあるが、断然、相模湾(神奈川県)のものが成長が早い。
図 71・10 天然ヒラメの成長状態
図 71・10 天然ヒラメの成長状態
          相模湾 (亀井・増沢、1973)
鳥取沿岸 (篠田、1974)
千葉沿岸 (石田ほか、1978)
●更新日:2003/01/27,2009/05/28
■参考文献:
落合 明・田中 克「魚類学(下)」,ひらめ,pp.1075-1080(1986)