||| 仕掛けの円周率 |||
 みなさんは、ヒラメ釣りの際に「仕掛けの円周率」を計算してますか? 別に円の面積を求めてくださいという訳ではありません。(苦笑)  「ヒラメ釣り」は、海底に沈めた仕掛けを効率よく固定させたり、時には動かして誘ったりしてヒラメにアピールさせることが大切なのはみなさんもよくご存知だと思いますが、ただ闇雲に底を這わすのでは、「根掛かり」もあれば、「マツリ」もあるでしょう。 これでは、いくら仕掛けがあってもロストばかりできっと辛い釣りになるでしょうし、知り合い同士の釣行でのオマツリなら笑顔で許せますが、赤の他人同士で何回もやっちゃうと、段々と無口になっちゃう人っていませんか?(笑)
 ↑の図は、ヒラメ釣りにおいて理想的な座席関係と、「仕掛けの円周率」を示しています。 当たり前ですが、隣同士の間隔が広ければ広いほど海底で仕掛けは絡みません。 この場合、オモリの号数が、みな常に一定であれば「タナ切り」を実行している限り、「オマツリ」する可能性は、非常に低いものと考えられます。
 一般的には「ハリス80センチ」であれば、半径も80センチ。 直径は160センチとなるように、隣同時の間隔は、最低160センチ以上を離す必要があります。 イレギュラーな対応や誘い重視の釣りが要求されるような場合には、それプラス1.5倍の距離を必要とするでしょう。 また、「ハリス1メートル以上」のロングハリスで攻める場合があるのであれば、それも計算して隣同士のハリスの長さも予め概算でチェックしておくことが大事です。
 ↑の図は、「寒ビラメ」解禁シーズン直後や休日の常磐(茨城県)方面の船宿に多くみられるパターンです。 大型船だろうが中型船だろうがとにかく、定員ギリギリまで乗せようという欲張りな船宿が多いため、胴を中心にまさに「お祭り騒ぎ」です。 「根」を攻める前にマツリでは、やる気も失せるというものです。 「仕掛けの円周率」も常に隣同士の仕掛けが交差しており、隣同士で同じタナを攻めるとまず間違いなく、右側2本の竿のようにイワシ同士が「こんにちは♪」をして仕掛けがグシャグシャになるのは必至でしょう。 この場合、ベテラン勢の殆どが左右の人を牽制しながら「大きくタナ」を変えています。 初心者は、たいてい「ベタ底攻め」が多いので、やや上の「宙層攻め」を狙いましょう。 隣がベテランであるならば、素直にタナを伺うのもひとつの方法です。 基本的にヒラメは「底」ですが、「寒ビラメ」シーズンの大型狙いでは、積極的に「タナを高目」にするのが、ベテランやプロのヒラメ師たちです。 まあ、こんな大変な思いする位なら船の特等席の「ミヨシ」や「トモ」に釣り座を構えるものもいいし、「仕立て」にしたり、あえて平日釣行にして、少人数で広々のんびりと釣りをするというのもいいでしょうね。
 ↑の図は、「タナ調整」をせずとも「仕掛けの円周率」を計算する方法です。 ヒラメの活性が低く誰もが「ベタ底」で誘いをかけなければならない状況下に有効です。 このような混雑が予想される場合は、必ず「ロング」と「ショート」の2種類のロッドを用意しておきます。 その場合、ロングなら3.3b。ショートなら2.3b以下...などメリハリをつけることが大切です。 隣の釣り師が、ロングであればこちらはショートロッド。 逆に相手がショートであれば、すかさずロングロッドを使いましょう。 折りしも隣と同じサイズになったら、デッキ側の通路に立って「船べり」ギリギリに落とし込むのも手です(左から2番目)。これらに「タナ調整」もコンビネーションするのが、現在の「手持ちビラメ」の特色でしょう。
 余談ですが、たまに胴で斜めに竿を出す釣り師がいますが、これははっきりいって「御法度(禁止手)」のひとつです。 胴の間では、「竿は、まっすぐに出すこと!」これがマナーですよ。