||| 竿の選択 |||

◇ヒラメ専用竿を使いましょう!◇
 少し昔では、各メーカーとも「専用竿」なんていう感覚がなくて、先調子・胴調子・硬調子・軟調子の4種類くらいでしたでしょうか?その昔、ヒラメ釣りでもグラス素材や竹など天然素材が主流で扱いやすい「先調子」でした。その当時では、多少竿が硬くてやり取りの最中にヒラメをバラしてもへっちゃらでした。とにかくヒラメの魚影が濃くて、また釣り直せばいいんですから。(苦笑)
 手羽根竿を使った伝統ある江戸前の釣りのひとつ「しゃくり真鯛」。この竿も限りない先調子ですが、真鯛を乗せたら竿ではなくて、手でナイロンラーヂをやり取りするのですから、竿の役目はあくまでも「しゃくる(誘う)」道具に撤してます。そのうちオキアミなんて北極や南極辺りからやってきた甲殻類のエサが出回り始めると、竿もすっかり「置き竿」が主流になって、放っておけば勝手に胴に乗る「胴調子」の竿に真鯛釣りも代わっていきました。
 その頃「ヒラメ釣り」でも一般的には「置き竿釣法」でしたから、この真鯛釣りの胴調子の竿を流用することが多かったようです。多少重くても置き竿でヒラメ釣りをするのですから完璧にマッチしたんでしょうね。しかも、それまでの先調子と比べたら、イワシは長持ちするし、ヒラメの食い込みもいい。まさに至れり尽くせりの竿だったんでしょう。
 ですから、大船長によっては今でもヒラメの竿は、「真鯛の奴で充分だよ!」と言われたりするんですね。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、現在では各メーカーは、こぞって「ヒラメ専用竿」を製造・発売しています。そのスペックもどんどん進化してますからヒラメ釣り初心者でも安心して「ヒラメ専用竿」を購入して下さい。最近の「ライトタックル仕様」が人気にも反映されるように釣り道具類も軽量化が進み、手持ちでのヒラメ釣りもとても楽になりました。折角ですからすべての道具を「ヒラメ専用」にして、全力で戦いを挑む真の「鮃職人」になって下さい。なんでも「形」から入ることが大事なんです。
長さ(/m) 調子 負荷(/号) 適応錘(/号) 適用 選択 備考
〜1.5 9:1・8:2調子 10〜15 〜30 手持ち 浅場のソゲ狙い「ライトタックル」
〜2.0 7:3・6:4調子 20〜60 〜40 手持ち 手持ち仕様「ライトタックル」
2.3 7:3・6:4調子 20〜80 〜60 手持ち 手持ち仕様「ライトタックル」
2.7 7:3・6:4調子 30〜80 〜80 手持ち 浅場・深場で可能「オールラウンダー」
3.0 7:3・6:4調子 30〜100 〜100 手持ち このクラスでギリギリ手持ち
3.3 6:4調子 50〜120 〜120 置き竿 置き竿が主流(胴に乗るタイプをセレクト)
3.5〜 6:4・5:5調子 50〜150 〜200 置き竿 置き竿が主流(胴に乗るタイプをセレクト)
※上記の各竿は、ヒラメ釣りで実績のある竿です。
※調子・負荷・適応錘は、その竿の種類や性能によって大きく異なります。
※あくまでも目安として、ご自身の責任で選択して実釣を行って下さい。
※現在のおける「置き竿釣法」とは、『パイロット釣法』を示します。
 標準のヒラメ竿は、「5:5〜6:4調子・2.7m前後の長さ・30〜80号負荷」の竿となります。
 まず「長さ」ですが、現在の「手持ち主流」のヒラメ釣りでは、3.3m以上のロングロッドはあまり使わなくなって来ています。但し、いくらライトタックル化とはいえ1.5m前後のスーパーショートロッドでは、魚との駆け引きや感覚が楽しい分、「送り込み」や「捕り込み」に余計な時間を要することでしょう。つまり「短い」と誘いのアクションと食わせに関しては楽ですが、やりとりにテクニックを要しますのでバラシも多いのは事実です。逆に「長い」とやり取り(送り込みや捕り込み)が楽でバラシは少なくなりますが、積極的な誘いやロッドワークが難しくなりアタリが取り辛く、食わせの醍醐味を感じにくくなります。
 また「調子」の方でも5:5調子や6:4調子、7:3調子気味がヒラメ釣りに合っているといってもヒラメが乗った時に竿全体が、ぐにゃぐにゃするような腰のない「軟調子」のタイプは避けるようにします。どんな釣りでもそうですが、竿は釣り人の「手の延長」です。これが一番しっかりしてないと魚を浮かせたり取り込んだりするのは、非常に困難になります。そうした意味でも「ヒラメ専用竿」を選ぶことをお勧めします。

最終更新日:2007/10/14