||| 釣り師から見たヒラメ |||

■ヒラメ ヒラメ科
□分布 日本各地(サハリン、千島列島から中国広東省まで)
□釣り期 夏(6月)〜冬(2月)
□地方名 ミビキ(富山)、ハガレ(石川)、テックイ(北海道)、オオグチガレイ(関西)
□釣り場 沖合い、砂浜、防波堤、磯
□料理 刺身、寿司ダネ、煮付、空揚、フライ、椀ダネ、焼きもの、ムニエル、他
 目の位置から「左ヒラメに右カレイ」というが、小型のヒラメと大型のマコガレイなどを区別できる人は少ない。位置関係を比較するためには魚と正面から向かい合う。ヒラメは口の位置に対して目が左側にあるが、カレイの仲間にも「ヌマガレイ」など左側にあるものがいるから、これだけで見極めるのはややこしい。ヒラメはカレイよりもかなり口が大きく、身が厚い。全長は40〜80センチ、1メートルに達するいわゆる座布団と云われるものもいる。
 大陸棚の深さ50〜200メートルの砂泥底にすむが、2〜6月の産卵期には(南日本から北日本へと移行する)水深20〜40メートルの浅場で、潮の流れのよい所に寄ってくる。全長10センチ前後ぐらいから魚食性が強まり、マイワシ、カタクチイワシ、マアジ、キス、カレイの幼魚、イカ類、大型の甲殻類を食べる典型的なフィッシュイーター。エサは主に夜間に摂取し、昼は砂に身体を埋めて目だけ出している。ヒラメ釣りはイワシの活きたエサによる沖釣りが一般的だが、砂浜からルアーキャスティングで狙う場合には、ヒラメが浅場に寄る初夏(5月)や晩秋(11月)がよい。
 「寒ビラメ」の味はいうに及ばず、刺し身、煮付け、フライなどすべて美味。背鰭(セビレ)、尻鰭(シリビレ)の付け根の縁側(エンガワ)は珍味。

(文:西山 徹/TVフィッシングキャスター、、日本大学農獣医学部水産学科卒魚類額学専攻、2001年没)
●更新日:2003/01/27,2007/10/08
■参考文献:
西山 徹「釣り魚カラー図鑑」,ヒラメ:pp.282-283(2000)