||| ヒラメの変態の補足 |||

◇成長とともにいろいろ変わる◇
 変態後期から底生稚魚期にかけて、黒色素胞は、1)分散、2)斑紋形成、3)濃密分布という3段階を経過するが、底生稚魚は2)から3)の段階にある。〔※種苗生産したヒラメでは有眼体側が正常に黒化せず、白化個体が高率で出現する。その原因は天然プランクトンを摂取できないためと考えられ、餌の種類や量について検討されている。〕また、前鰓蓋骨の小棘はすべて定着時に消失し、間鰓蓋骨や下鰓蓋骨上になお3〜4棘があるが、底生移行とともに退化する。鱗は18cm前後に有眼側の側線直走部に最初に発達し、22.7mmで無眼側線直走部後半に出現する。37.5mmで有眼側では全域に、無眼側ではなお側線周辺域にのみあるが、48.2mmで鱗は全域に達する(沖山、1974)。
図 71・9 ヒラメの変態各期の体長分布
図 71・9 ヒラメの変態各期の体長分布
(鳥取沿岸、1972年5月18日、沖山、1974)
●更新日:2003/01/27,2007/10/08
■参考文献:
落合 明・田中 克「魚類学(下)」,ひらめ,pp.1075-1080(1986)