||| ヒラメの各系群 |||

◇ヒラメの生息分布図がありました◇
 産卵や策餌のための季節的な深浅移動のほか、やや広範な南北回遊をするが、その範囲に限界があるため、いくつかの系群がある。(図 71・5)。北海道の日本海側では積丹半島を境にして北海道北部群と同南部群に分かれる(山洞、1976)。本州の北部太平洋側でも三陸地方から千葉県中部にわたる東北群、千葉県中部から相模湾を生息圏とする関東群がある(石田ほか、1978)。本州日本海側では青森県から新潟県にかけて生息する北日本群、富山県沖から鳥取県沖を生息圏とする中日本群、島根県沖から五島・済州島付近までを生息圏とする西日本群などがある。
 東シナ海や黄海にも34°N以北の水域で越冬して4月に急に北に向かい夏に渤海湾に達する系群と、東シナ海のほぼ中央部で越冬したのち、4〜5月に南下して台湾北部海域に達し、7〜9月に北進して上海東北沖付近に達する系群とがある(岡田、1957)。

図 71・5 日本周辺のヒラメ各系群の分布域
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●更新日:2003/01/27,2007/10/08
■参考文献:
落合 明・田中 克「魚類学(下)」,ひらめ,pp.1075-1080(1986)