||| ヒラメの形態 |||

◇ヒラメの形態は、アンコウ型ではなくマダイ型◇
 ヒラメの体は長楕円形。 魚類分類法でいうと「側扁形(compressiform)」となる。 これは、均等のとれた活動的な体形で、運動力に富む海洋性の魚類(ネズミザメ、ヨシキリザメ、マサバ、マグロ類、カツオ、プリなど)が、「紡錘形(fusiform)」なのに対し、側扁形魚類は、背腹の方向に高くなり、左右に薄くなった形の魚類を示す。 紡錘形魚類ほど運動力はなく、沿岸水域とか底層に生息する種類が多い。 代表的な種類には、コノシロ、ヒラアジ、マダイ、イシダイ、スズメダイ、カワハギなどがヒラメと同様この型に属する。 ヒラメは、無眼側を下にして生活するので別の底生魚類(サメ・エイ類、コチ、アンコウなど)の「縦扁形(depressiform)」魚類と混同されやすい。
千葉県飯岡沖で捕獲されたヒラメ
 眼は左側にある。 口は著しく大きくて、上顎骨の後端は眼の後辺下よりも後方に達し、大きく開く。 両顎の歯は強くて犬歯状で、1列に並ぶ。 両眼間隔域は平坦で、その幅はおよそ眼径の1/2の大きさ。 側線は胸鰭の背方で大きく波状に曲がる。鱗は小さくて有眼側で櫛鱗、無眼側で円鱗である。 有眼側の地色は暗褐色で、乳白色の小斑紋と黒褐色紋が散在する。 尾鰭後縁の中央部は突出する「二重截形」である。 全長は80a〜1.2bあまりになる。 背鰭は77〜81軟状、尻鰭は59〜61軟状。
◇キーワード
【犬歯(けんし)】
円錐歯(えんすいし/先端の尖った小歯)の肥大強化した歯のこと。 貪食なヒラメをはじめ、ミズウオ、タチウオなどではよく発達する。
【軟状(なんじょう)】
鰭条のうち、柔らかくて先が尖ってなく、節を持つ。 先が枝分かれしているものを「分枝条(ぶんしなんじょう)」、そうでないものを「不分枝条」と呼ぶ。 最期の軟条はその前の1本と基部を接して位置している場合、普通、両者を1本として数える。