||| ヒラメの産卵場 |||

◇産卵する水深はさまざま◇
 ヒラメの産卵場は、ほぼ分布域に等しく、北海道太平洋側、オホーツク海沿岸を除く日本列島のほぼ全域に形成されている。それらの中で主要な海域は、日本海沿岸では、北海道の石狩湾、青森県沿岸、新潟県沿岸、佐渡島周辺、若狭湾、隠岐島周辺、五島列島周辺などがあり、太平洋沿岸では、仙台湾や房総半島周辺、紀伊水道南部、瀬戸内海などが知られている。(岡田立三郎:東海・黄海における底魚資源の研究,4,32-49,1957.)また、朝鮮半島の南東部、渤(ぼっ)海や黄海にも産卵場があることが知られている。佐藤祐二:東北水研研報,35,pp.15-30.(1975).は、太平洋沿岸における本種の主要な産卵場の北限は仙台湾付近と推測している。
 産卵場が形成される水深は、100m以浅であり、主として50mより浅い水深帯と推定されている。太平洋沿岸の房総半島では200m前後の深い海域でも産卵するとの報告がある。
(渡部俊明:鳥取水試報告,26,pp.77-83,1983.)産卵場近傍の地形的特徴としては、岩礁地帯周辺の砂泥域や砂礫域であることがあげられる。(小林啓二:鳥取水試報告,15,pp.64-79,1974.)、(佐藤祐二:東北水研研報,35,pp.15-30,1975.)、(石田 修・田中邦三:千葉水試研報,42,3-12,1984.)
●更新日:2007/10/08
■参考文献:
南 卓志「ヒラメの生物学と資源培養」,T.資源生態,1.生活史特性,pp.9-24(1997)