||| ヒラメの成長補足 |||

◇成長とともにメスの方が大型化します◇
 ヒラメの成長は、系群によってその成長速度が異なる。 基本的に南の方が早く、大きく成長し、北では成長がやや遅く、大きさも小ぶりであるようである。
 東北群に属する銚子・九十九里沖のヒラメを例にとると、雌♀の成長は、満1年で平均29p(体重230g)、2歳で43p(800g)、3歳で53p(1.6s)、4歳で60p(2.3s)、5歳で65p(3s)、6歳で69p(3.5s)、7歳で71p(3.9s)あり、また雄♂の成長は満1年で27p(体重190g)、2歳で41p(670g)、3歳で48p(1.2s)、4歳で53p(1.5s)、5歳で56p(1.8s)、6歳で57p(1.9g)、7歳で58p(2s)である。 このように高齢になるにともない、雌の方が雄よりも断然成長が早く、7歳魚の体重は雄のほぼ2倍になる。 ●関連ページ⇒「養殖とバイオとヒラメ
年月 全長(♀) 体重(♀) 全長(♂) 体重(♂) 備考
・・・ ・・・ ・・・ ※1)
3か月 6cm ※2)
6か月 20cm
1年 29cm 230g 27cm 190g 小ソゲ↑
2年 43cm 800g 41cm 670g ソゲ
3年 53cm 1.6kg 48cm 1.2kg 小ビラメ
4年 60cm 2.3kg 53cm 1.5kg ヒラメ↓
5年 65cm 3.0kg 56cm 1.8kg
6年 69cm 3.5kg 57cm 1.9kg
7年 71cm 3.9kg 58cm 2.0kg 中ビラメ↓ 
・・・ ・・・ ・・・ ※3)
※1) 孵化から1〜1.5か月の成長については未掲載です
※2) この頃は1か月で約4cmずつ成長する
※3) この資料・文献ではこの年数(7年)の調査内容までしかありません
 ここでも引用した参考資料は、俗に釣り人がいう「大ビラメ」(巨鮃)の基準『5kg以上』の年齢が不明です。 それでは、実際に房総銚子沖を含む、鹿嶋沖、大根、大竹沖、大洗沖、原研沖、那珂湊沖、日立沖、久慈沖など以北の「東北群」で捕獲される10kgのモンスター級のヒラメたちは、果たして何年モノになるのでしょうか? 単純に逆算すればよいのですが、そうもいかないようですね。 資料提供お待ちしております。
●更新日:2003/01/27,2009/05/28
■参考文献:
落合 明・田中 克「魚類学(下)」,ひらめ,pp.1075-1080(1986)