||| ヒラメの卵発生 |||

◇海水温が15℃前後になると一斉に孵化します・・◇
 未受精卵は直径0.9mmの球形で、約0.13mmの油球が1個あり、卵の表面には微細な黒点が散在する。 受精卵は海中で浮性であるが、塩分が18‰より低いと沈下する。 受精卵は水温18℃で3時間5分で胞胚期となり、25時間で眼胚やクッパー氏胞が現れ、34時50分で心臓が拍動し、49時間後になると孵化が始まる(石田・田中、1976)。 孵化までの時間は20℃またはそれより高温で40時間、15℃で50時間、10℃で150時間以上である。 孵化可能な水温範囲は10〜24℃であるが、15℃前後で孵化率が高く、奇形率が低い。 また、孵化に適した塩分は原海水(34‰)から3/2海水で、とくに1.2海水が適していて、1/2海水または2海水では24時間後に発生が止まる(安永、1975)。
図 71・7 ヒラメの孵化率と水温(安永、1975)
図 71・7 ヒラメの孵化率と水温(安永、1975)
●更新日:2003/01/27,2009/05/28
■参考文献:
落合 明・田中 克「魚類学(下)」,ひらめ,pp.1075-1080(1986)