||| ヒラメが一番美味なとき |||

 刺身にして美味いのは、一般的に「死後硬直している間をよし」とするもの、「硬直がとけて身が柔らかくなった頃をよし」とするものの2種類があります。 一般的にいって白身魚は、硬直中のコリコリた身を薄めに切りつけますが、ヒラメとカレイ類だけは『例外』です。 通常は、1〜2日たった位の方が、旨味が出るといわれています。(大型のヒラメはもっと長く寝かします。) ですから、ちょっと昔では、獲りたての魚をその場で絞めて「血抜き」をしました。(これを「野絞め」といいます。) 市場から寿司屋へ渡り、握りにする頃にちょうど硬直がとけます。 つまり旨味が増す時間を計算して絞めていたのです。 現在では、市場の活魚水槽で生かされ、お客が買った時に絞めるこが多くなりました。(これ「活絞め」といいます。) ですから寿司を握る時も身は、まだ活かっていますので、ピンと締まって堅く、当然旨味も少ないのです。(関連ページ→「ヒラメをしめる理由」)
 「ヒラメの刺身や握りをつくる際、本当は一晩置いた方がいいのは判ってるんですが、今どきのお客さんは、とにかくコリコリしたのを好まれるもので困りますね。」...と、とある寿司屋のご主人のお話。
これも御時世なようです。