||| わきの下を見ないでぇ♪ |||

ちょっと待って。それって本当に「天然のヒラメ」ですか?
 変なタイトルですが誤解しないでください。マジメなお話です。(苦笑)

 市場に出回るヒラメには、もうみなさんもご存知の通り、「天然もの」と「養殖もの」と「養殖放流もの」がいますね。 (関連ページ→「養殖ものと養殖放流もの」) どこで区別をつけるかというのは、こちらの(「パンダビラメと天然もの」)をご覧になってくだされば一目瞭然です。 ところが最近、「天然もの」と「養殖もの」の区別の仕方が容易ではなくなっているケースの固体が発見されています。
 ここで改めてヒラメの「天然もの」と「養殖もの」の区別する方法を確認いたしますと、ヒラメをひっくり返して、無眼側が綺麗な「白色」をしておる場合は、「天然もの」とし、無眼側にも有眼側の地色と同じ暗褐色が全体または、殆どに達し、乳白色の小斑紋と黒褐色紋も散在する場合は、「養殖もの」とするケースがあります。
 しかし、今回発見されたヒラメのケースでは、無眼側の約98%は、白色なのに対し、「わきの下だけ」に地色と同じ暗褐色の斑紋が存在するものです。 これは、一瞬「天然もの」と見間違ってしまうほど微妙な「養殖もの」であると思われます。 これについては、すでにいろいろな研究が進められていて、文献なども出ているようですが、原因については未解明なようです。 ただ、基本的にヒラメの無眼側に暗褐色が一部でも現れている場合の固体は、「養殖もの」と判断してもよいと考えられるそうです。 この無眼側に暗褐色の発色が現れる要因については、別ページでも述べていますが、最近のヒラメの人工種苗(栽培)技術も改良や進化してきていることから、いずれ無眼側の暗褐色化(黒色化)は、改善されるとしています。
 今回発見した固体は、大きく成長する過程で無眼側の白色化が進んでしまったのか、または、元々このような暗褐色化で留まって産まれてきて、海に放流されて育ったのか解析はできませんでしたが、現在のヒラメの人工種苗(栽培)技術では、どんなに無眼側の白色化に成功したとしても、ほぼ間違いなく「わきの下」の暗褐色化だけは、残ってしまうというとのことでした。
 ですから、釣ったヒラメでも鮮魚市場で買ったヒラメでも、いかにも「天然もの」に間違いない!...と、思っても、一応確認のためにヒラメの「わきの下」をめくってみてください。 もし、暗褐色化した痣(あざ)や斑紋が少しでもあったら、間違いなくそれは「養殖もの」だったり、「養殖放流もの」のヒラメなのです。